新規就農者インタビュー

新規就農者インタビュー

親父よりいい花を咲かせたい

安芸郡芸西村

谷岡 龍さん (42)

就農 5年目

高知県安芸郡芸西村の谷岡龍さんは、ブルースターの愛称で親しまれているオリジナル品種「ピュアブルー」を家族で栽培している。淡くて愛らしいサムシングブルーの色、花言葉の「信じあう心」「幸福な愛」から、特にブライダルシーンで人気を集めている。

龍さんは就農前、19年間半導体工場へ勤めていた。38歳のとき、夜勤が続く不規則な生活では家族と過ごす時間も少ないことから、就農の道を選んだ。


ピュアブルー28アールを家族で栽培する龍さんは、両親のもとで修業しながら栽培技術を学んでいる。

7月下旬から8月上旬に苗を植え、9月から翌年6月中旬まで4、5回収穫を繰り返す。収穫の時期は、週5日間午前3時からハウスに出て、花摘み。摘み取ったあと選別し、品質管理のため水揚げ促進剤に約10時間浸す。この作業を午前中に終えることで、サムシングブルーのきれいな色や日持ちの良さを保つ。

龍さんは今年から、温度や湿度、日射量、二酸化炭素濃度が計測できる環境測定器を初めて導入した。今までの自分の感覚とデータとのズレを発見し、最適な栽培環境を整えることで、さらなる品質向上と収量増加に期待がかかる。


新しい栽培技術の導入に積極的な龍さん。まずは、今の栽培面積でいかに収量を増やしていくかを第一に考えている。

父親はブルースターの栽培を約30年間続けており、オリジナル品種の開発にも意欲的。そんな父の背中を間近で見ている龍さんは「いつか自分のハウスを持ち、親父よりいい花を咲かせたい」と夢を語る。